Tensor G4搭載のPixel 9シリーズがリリースされてまだ数か月ですが、すでにPixel 11に搭載される「次々」世代プロセッサ「Tensor G6」に関する噂が出回っています。
最新の報道によれば、Pixel 11で採用予定のTensor G6は、性能面で大きな「ダウングレード」になる可能性があるようです。その理由は、GoogleがPixelシリーズの課題であるバッテリー寿命と発熱問題に本格的に取り組むためだとされています。
コスト削減とバッテリー寿命の向上が目標
GoogleはTensorチップセットの製造コストを下げ、バッテリー寿命の延長を目指しているとされています。報道によれば、Tensorの製造コスト目標は65ドルほどに設定されており、競合するQualcommの最新フラッグシップチップが約150ドルとされる中、コストパフォーマンスを意識した設計が進められているようです。
ユーザーの声に応える改善策
Tensorの発熱問題は、Pixelユーザーからのフィードバックでも最大の課題とされており、Pixelの返品理由の約28%が発熱に関するものであるとのこと。
バッテリー寿命に対するニーズも強く、「良好なバッテリー寿命はユーザーの満足度とロイヤルティを向上させる」とGoogleは認識しています。
この課題解決に向けて、Googleは新しい「シネマティック・レンダリング・エンジン」を導入し、動画撮影時の電力消費を約40%削減する予定とのこと。
これにより発熱が抑えられ、使用中の温度も低下することが期待されます。
Tensor G6の設計変更と削減の方向性
Tensor G6は、現在のTensor G5(約121 mm²)よりも小さい105 mm²のダイ面積を目標としています。
これは、Apple A18 Proと同等のサイズであり、TSMCの最新のN3Pプロセスによって約4%の面積削減を実現する見込みです。
しかし、このダウンサイジングのため、いくつかの機能が削除される予定です。例えば、レイトレーシングとGPU仮想化がTensor G6からは外される可能性があります。
さらに、Tensor G6では「リトル」クラスタを廃止し、ARM Cortex-A930のプライムコア1つと、ARM Cortex-X730のパフォーマンスコア6つで構成される見込みです。これにより、消費電力を抑えつつもパフォーマンスの維持を図ろうとしています。