モバライフが抜粋した光回線に関する10の質問を監修者の河村亮介さんに回答していただきました。
メリット・デメリットや注意点について詳しく解説してもらっているので、参考にしてみてください。
また、当メディアでは監修者の専門的知識に基づいた格安SIM・スマホコンテンツを掲載しています。さらに格安SIM・スマホについて知りたい方は以下の記事もチェックしてみると、より理解が深まるでしょう。
監修者紹介
河村亮介
1987年生まれ。WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表。大学卒業後、会社員を経て起業しGreenEchoes Studioを立ち上げる。通信系記事の監修・執筆・公正・サイト設計・運営支援など、ウェブサイト周りのサービスを提供する。インターネット回線選びの専門家として、WEB媒体を中心に光回線・ポケット型Wi-Fi・格安SIMなどに関する記事の執筆や監修・校正を手がける。
Q1.光回線とホームルーターの違いはなんですか?
光回線とホームルーターの違いを、表にまとめてみました。
光回線 | ホームルーター | |
回線 | 有線 | 無線 |
通信速度 | 速い | 普通 |
遅延 | 小さい | 大きい |
開通工事 | 原則必要 | 不要 |
撤去工事 | 必須な場合あり | 不要 |
料金相場 | 3,000円~8,000円程度 | 4,000円~5,000円程度 |
パケット上限 | 実質無制限 | 実質無制限 |
光回線とホームルーターの決定的な違いは、インターネットへの接続方法です。
光回線とは
光ファイバー網を用いた超高速インターネット回線で、広く普及しているのが、NTT東西が提供する「フレッツ光」回線となっており、日本のシェアの実に6割以上はこのフレッツ光、およびフレッツ光とプロバイダーがセットになった「光コラボ」が占めています。
オンラインゲームにおいては、通信速度の速さとレイテンシーの小ささが勝敗を分けることも多いため、eスポーツの分野においては光回線の品質は非常に大きなウェイトを占めると言われています。
ホームルーターとは
一方、ホームルーターとは、スマホと同じ無線回線を用いてインターネット接続を行う据え置き型の端末です。
光回線のように回線を引き込むための工事も不要で、引っ越す際も住所変更手続きを行えば撤去工事の必要もないため、引越しが多い方でもパケット上限を気にせずにインターネットを楽しむことができるのです。
Q2.光回線のメリットデメリットを教えてください!
光回線のメリットは3点、デメリットは4点あります。
光回線のメリット
光回線のメリットは以下の3点です。
- 通信速度が速く大容量通信が可能
- 通信品質が安定している
- 距離が離れても速度が低下しない
通信速度が速く大容量通信が可能
光回線は、光ファイバーを使用しているため、従来のメタル線を用いたインターネット回線と比較すると、超高速通信が可能です。
高速通信が可能ということは、1秒間に送受信できるデータ量が多いため、大容量のゲームデータや動画データのダウンロードにも時間がかかりません。また、通信速度が速いことに加えて、低遅延で利用できるため、動画コンテンツやオンラインゲーム、WEB会議でのビデオ通話もストレスなく利用できるという大きなメリットがあります。
通信品質が安定している
光回線は、通信品質が安定しています。
無線通信に関しては、利用時間帯や利用者人数、その他天候や利用する場所の環境などさまざまな条件での影響を受けやすいですが、光ファイバーは外部からの影響が少なく、通信品質の低下が非常に少ないとされているのです。よって、天候や距離にも左右されず継続してインターネットが利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
距離が離れても速度が低下しない
一般的には、電磁波の影響が大きいほど、伝送損失が大きいと言われており、伝送損失が大きくなると通信速度が低下してしまいます。
ADSL回線ではNTT収容ビルから利用先までの距離が長くなるほど通信速度が低下してしまうという大きなデメリットがありました。一方で光回線は、伝送損失の影響の一つである電磁波の影響が小さいため、距離に関係なく通信速度を維持することが可能です。
光回線のデメリット
光回線のデメリットは以下の4点です。
- 利用するには原則工事が必要
- 契約期間が長く解約しにくいサービスが多い
- 地域や住まいの状況によっては契約できない場合がある
- 住まいの状況によっては十分な通信速度がでない可能性がある
利用するには原則工事が必要
光回線を利用するには、原則引き込み工事が必要です。
工事には当然費用がかかるため、光回線導入の際には初期費用が高額となってしまいやすく、開通までに時間を要するというデメリットもあります。
契約期間が長く解約しにくいサービスが多い
一般的に光回線の契約は、契約期間が定められているものが多く、2年間の契約期間となっている場合が多いです。契約期間内の解約に伴う違約金上限は、利用料金のおおよそ1ヶ月分と規定されているためそこまで高額ではありません。
よって、一時負担金が大きくなってしまいやすく、解約しにくいと言われることが多くあります。
地域や住まいの状況によっては契約できない場合がある
光回線は、地域によってはカバーされてない場合があり、そう言ったケースでは光回線自体を利用できない場合があります。
フレッツ光であれば、概ね人口集中地域はカバーしていますが、auひかりやNURO光などは一部地域でしか利用できません。
光回線を契約する前に、まずはご自身が利用したいサービスがお住まいの地域に対応しているかどうか調べるようにしましょう。
住まいの状況によっては十分な通信速度がでない可能性がある
光回線は、一部の集合住宅の回線種別によっては速度が十分に出ない可能性があります。特に顕著なのが、VDSL配線方式の場合です。
また、LAN配線方式を利用している集合住宅の場合でも、集合住宅に引き込まれている光回線の本数によっては、十分な通信速度が出ないケースが存在します。
Q3.光回線のプロバイダとはなんですか?
光回線のプロバイダーとは、光回線をインターネットに接続してくれる事業者です。正式名称はInternet Service Provider(ISP)と呼ばれます。
光回線と一口に言っても、その内訳としては、インターネットに接続する回線を提供する「回線事業者」と、インターネットに接続するための「プロバイダー」の2つが存在し、その両者と契約しなければインターネットを利用することができません。
Q4.光コラボとはなんですか?
光コラボとは、NTT東西が提供するフレッツ光回線を用いたインターネットサービスのことを指し、プロバイダーが窓口となってサービスを契約することで、回線事業者とプロバイダーをセットで契約できる仕組みのことを指します。
以前はNTT東西が提供する「フレッツ光回線」と、インターネットに接続する「プロバイダー」の2つを選んで別々に契約する必要がありましたが、最近では、プロバイダー側と契約することでフレッツ光回線の契約も同時に完了する「光コラボ」の形式が主流となっています。
また、フレッツ光以外の独自回線提供事業者では、回線提供事業者がプロバイダーを兼用しているケースがほとんどとなっているため、ワンストップで契約することが可能です。
Q5.光回線やプロバイダを選ぶ時のポイントを教えてください
光回線やプロバイダーを選ぶ際のポイントは下記の5点です。
- 対応エリア
- 実際の通信速度
- 月額料金
- 特典の有無
- スマホセット割の有無
対応エリア
まず、使いたい光回線がご自身がお住まいの地域で利用できるかどうかについて確認しましょう。
フレッツ光回線であれば、多くの地域をカバーしていますが、それ以外の独自回線が利用したいのであれば、まずはカバーエリアの確認が必要です。
実際の通信速度
光回線の通信速度に関しては、ベストエフォート方式(理論値)で記載されているため、実際の通信速度とは大きく乖離している場合があります。
また、同じフレッツ光回線でも、プロバイダーの設備やそのプロバイダーを利用している方の人数、同時にどのくらいの方が利用するかによって、通信速度が大きく異なる場合があります。
この実測値に関しては、実際のところ使って見ないと分からない部分が大きいのです。
月額料金
光回線の価格相場は、1Gbpsの理論値速度においておおよそ3,500円〜6,000円程度と大きく幅があります。
当然、料金に応じてサービス内容も変わってくるため、ご自身が納得の行く条件のサービス内容に見合った月額料金のサービスを選びましょう。
こうしたサービスは、インターネット回線が混雑しにくいビジネスタイムにインターネットを利用したいテレワークを利用して働いている方に人気があります。一方、夜間に集中してインターネットを利用する方は、通信速度が低下することで大きなストレスとなるかも知れません。
特典の有無
光回線サービスの中には、高額のキャッシュバック特典や、月額料金割引を特典として提示したサービスが数多く存在します。
一方で、インターネット回線の契約需要が低い時にもスポット的に実施される場合もあるため、キャッシュバック特典を含めた実質料金で比較すると、よりお得に契約することができるでしょう。
スマホセット割の有無
日本人の約9割の携帯電話利用者が、大手3大キャリアのいずれかを利用していると言われています。
そのため、光回線事業者各社は、スマホとのセット割を打ち出している場合も多く、当該キャリアのスマホを利用している家族の人数×最大1,100円(税込)を光回線利用料金から割り引く施策を実施しているのです。
Q6.戸建て住まいにおすすめの光回線はどこですか?
戸建にお住まいの方におすすめできる光回線は、NTT東西が提供する「フレッツ光回線」を利用した「光コラボ」です。
加えて、フレッツ光回線を利用できる「光コラボ事業者」も多く、スマホセット割に関しても、3大キャリアに対応したサービスも多いため、選択肢の自由度が高いのも魅力の一つと言えるでしょう。
NTTドコモをお使いであれば「ドコモ光」、au/UQモバイルをお使いであれば「ビッグローブ光」、ソフトバンクをお使いであれば「ソフトバンク光」がおすすめです。
Q7.マンション住まいにおすすめの光回線はどこですか?
マンションに住んでいる場合におすすめする光回線は「フレッツ光回線」です。
そもそも、マンションに住んでいる場合に関しては、あらかじめマンション側で契約している回線種別しか選べない場合がほとんどですので、一般的にはフレッツ光回線しか選択肢が無い場合が多いです。
Q8.通信速度の速い光回線のおすすめはどこですか?
回線速度が速い光回線でおすすめなのは、フレッツ光クロスです。
フレッツ光クロスは、NTT東西が提供する理論値速度10Gpbsの光回線となっており、カバーエリアも全国に広がってきています。
それ以外には、東海地方限定で提供している独自回線を用いた「コミュファ光」や、関西地域限定で提供している独自回線を用いた「eo光」なども回線速度に定評があります。
Q9.光回線を設置するには工事が必須ですか?
光回線を設置するためには、原則として工事が必要です。ただし、下記の場合は例外として工事が不要となります。
すでに光コンセントがある場合
中古の戸建を購入した場合や、戸建の賃貸にお住まいの場合は、前居住者が光回線を引き込んでいる可能性があります。その場合、契約しようとしている回線と引き込まれている回線が同一事業者であれば工事は不要です。
集合住宅に住んでいる場合
集合住宅に住んでいる場合、マンションを建設した時点で光回線が引き込まれている可能性があります。LANケーブル差し込み口や光コンセントがある場合、すでに回線が引き込まれていると考えても良いでしょう。
ぜひ、確認してみてください。
Q10.光回線を契約するときはどこに注意すればよいですか?
光回線を契約するときの注意点は、光回線を選ぶときのポイントと同様となります。
- 対応エリア
- 実際の通信速度
- 月額料金
- 特典の有無
- スマホセット割の有無
補足するとすれば、「辞めやすさ」という観点も重要でしょう。つまり、「契約期間」も考慮してサービスを選ぶことも重要になります。
例えば、就職して社会人1年目の方が賃貸マンションを契約する際に、2年契約・自動更新の光コラボサービスを契約したとしましょう。
このように、あらかじめ引越しが想定されている場合は、契約期間が短いサービス、もしくは契約期間自体が無い=縛りなしのサービスの利用も検討してみてください。