10日ほど前に発売されたグーグルの最新フラッグシップ、Pixel 8とPixel 8 Pro。
目立った不具合報告もなく、発売直後の評価としてはまずまずの出だしといった感じではないでしょうか。
一方、このPixel 8シリーズに搭載の三代目Googleチップ、Tensor G3の評価については、前チップセットよりも発熱などが減ったという声もあれば、まだまだSnapdragon 8シリーズと比べるといまいち信頼性に欠けるといった評価も。
というわけで今回は、このTensor G3搭載のPixel 8シリーズとG2搭載のPixel 7シリーズのベンチマークスコアを統計的にしっかりと比較してみたいと思います。
Pixel 8シリーズのTensor G3 Vs. Pixel 7シリーズのTensor G2のベンチマーク比較
まずはPixel 8P/8 ProとPixel 7/7 Proのそれぞれ100回分(合計200回分)のGeekebenchベンチマークスコア(平均)比較:
Pixel 7シリーズ→Pixel 8シリーズでのCPUのベンチマーク性能向上はシングルコア、マルチコアのいずれも1割程度といったところ。
例外もありますが、Snapdragonの8シリーズでは大体1世代で2割前後はベンチマークスコアが向上します。
これと比べると、Pixel 7シリーズ(Tensor G2)→Pixel 8シリーズ(Tensor G3)での性能進化幅は少なめ、ということになります。
一方、Tensorチップセットはパフォーマンスだけでなく、発熱などによるスロットリングも大きいと言われており、これについてサムスンのファウンドリで製造されていることが一因といった指摘も。
そこで、今回は両ベンチマークの「標準偏差」も算出してみました。
これはいわば「ベンチマークスコアのバラつきの平均値」を表したもので、大まかにいうと測定毎にどの程度スコアが異なるか、という値。
例えば、Pixel 8/8 Proのシングルコアは測定ごとに「平均で」197ポイントの違いがでる、ということになります。(統計学的には厳密には違いますが、まあ、そう捉えて問題ないでしょう)
そして両者を比べてみると、シングルコア・マルチコアの両方でPixel 8/8 ProのばらつきはPixel 7/7 Proよりも大きくなっているのが分かります。
これはつまり、ベンチマーク測定において、Pixel 8シリーズはPixel 7シリーズよりも性能が不安定、ということに。
まとめると、Pixel 7シリーズ→Pixel 8シリーズでは、ベンチマーク性能上では1割ほどパフォーマンスは向上しているものの、システムの安定性という点では前モデルよりも不安定になっている、ということになります。
データソース:Geekbench