Appleから9月22日に発売開始される新型iPhone 15シリーズ(iPhone 15/iPhone 15 Plus/iPhone 15 Pro/iPhone 15 Pro Max)が9月12日に発表されました。
iPhoneでは10年続けて採用され続けていたLightning端子をようやく廃止し今回発表されたiPhone 15全モデルでUSB-C(タイプC)端子に変更され大きな話題となっています。
iPhone SEを残し、Lightningがようやく廃止になった新型iPhoneに対してApple公式では「これでケーブルだらけの毎日とはお別れです」と解説していますが、ケーブルだらけにしていたのはどこのどいつだい?と突っ込みたくなります。
ここではiPhone 15シリーズそれぞれの進化したポイントを旧機種iPhone 14シリーズと比較し違いをまとめました。
iPhone 15(無印)シリーズの変更点とiPhone 14との比較
まずは無印モデルのiPhone 15/15 Plusと旧型のiPhone 14/14 Plusを比較してみると変更された点は以下です。
iPhone 15/15 Plus | iPhone 14/14 Plus | |
ディスプレイ | 【無印】 6.1インチ Super Retina XDRディスプレイ 2556×1179ピクセル、460ppi 【Plus】 6.7インチ Super Retina XDRディスプレイ 2796×1290ピクセル、460ppi | |
サイズ | 【無印】 147.6 mm/71.6 mm/7.80 mm 【Plus】 160.9 mm/77.8 mm/7.80 mm | 【無印】 147.6 mm/71.5 mm/7.80 mm 【Plus】 160.8 mm/78.1 mm/7.80 mm |
重量 | 【無印】 171g 【Plus】 201g | 【無印】 172g 【Plus】 203g |
ボディ | カラーインフューズドガラス背面 アルミニウム | ガラス背面 アルミニウム |
ノッチ | Dynamic Islandに変更 | あり |
チップ | A 16 Bionic | A 15 Bionic |
カメラ | 広角:48MP、ƒ/1.6絞り値 (超解像度の写真24MPと48MP) 超広角:12MP、ƒ/2.4絞り値 HDR 5 | 広角:12MP、ƒ/1.5絞り値 超広角:12MP、ƒ/2.4絞り値 HDR 4 |
光学ズーム | 0.5x/1x/2x | 0.5x/1x |
接続端子 | USB-C (USB 2.0に対応) | Lightning |
高速充電 | 30分で最大50% 20W PD | |
販売価格 | 【無印】 124,800円〜 (128GB〜) 【Plus】 139,000円〜 (128GB〜) | 【無印】 119,800円〜 (128GB〜) 【Plus】 134,800円〜 (128GB〜) |
デザイン自体はiPhone 14からはほぼ変わっていませんが、カラー展開は結構変わっています。流行りのくすみカラーです。
またサイズ感はほぼ変わりませんが、微妙に厚みなどは異なっていたりするのでタイトなiPhone 14のケースやカバーを流用は難しいかもしれません。
- ノッチ廃止→Dynamic Islandを採用
- iPhone 14 Proと同等の48MPの解像度
- Lightning廃止→USB-C(タイプC)の接続ポート
- 14 Proとほぼ同じ性能で価格は安い
ポイント① ノッチ→Dynamic Islandに変更
iPhone 15の無印モデルでも今までのノッチを廃止し、iPhone 14 Proシリーズと同じDynamic Islandを採用することになったのは大きな変化点です。
このDynamic Islandはバックグランドで動作しているアプリにワンタッチでアクセス出来たり、タイマーなどの情報がホーム画面からひと目で分かる機能として日常やビジネスでの効率化に非常に役立ちます。
ポイント② 14 Proのカメラ機能が搭載
48MPで撮影できるカメラは今まではiPhone 14 Proに初めて搭載された解像度で、今回のiPhone 15の無印にすんなりとこの機能を載せてきました。
また今まではProだけの特権と思われていた光学ズーム2倍となる望遠機能も追加され、よほどの写真画質にこだわりがなければiPhone 15でも十分な写真、そして動画が撮影できるようになっています。
またポートレート撮影はわざわざポートレートに切り替えを行わなくともiPhone 15では被写界深度の情報を自動的に把握しボカシ効果を加えてくれ、あとからピンと切り替えや調整も可能となりました。
もちろんカメラセンサーの大きさやトリプルレンズとの違いもあり厳密にはiPhone 15 Proよりは若干画質等は劣るとは考えられますが、それでも1年前のiPhone 14 Proのチップとカメラ性能がそのまま無印iPhone 15に採用されると考えると最もコスパが高いiPhoneになるのではないでしょうか。
ポイント③ Lightning廃止→USB-Cポート
今回のiPhone 15シリーズは無印・Pro含めすべて脱Lightning端子となり、iPhone史上始めてのUSBタイプCを搭載したモデルとなり大きな話題となっています。
これからはiPhone専用のケーブルを持ち運ぶ必要がなく、MacやiPadで使えるUSB-Cをそのまま充電ケーブルとして使うことが出来るようになります。
もちろんUSB-Cは最近のWindowsノートパソコン、Nintendo Switchなどのゲーム機、その他最新デバイスでも採用されている端子なのでLightningによる縛りがどれほど強かったかを実感している方もいると思います。
またこれによりiPhone 15シリーズすべてのモデルは新しくUSB-Cコネクタを採用したAirPods Pro(9月22日発売)へ直接給電することもできるようになり、iPhoneをモバイルバッテリーとして使う事もできるようになっています。
この機能はUSB-Cを採用したiPadでは既に使える機能となっているため、iPhoneもようやく給電も可能なデバイスになったということになります。
USB-Cの規格(性能)で無印とProは差別化されているようで、ちょっとここはApple意地悪だなと感じる点でした。
ポイント④ 14 Proに近い性能で価格がそこまで値上がりしていない
今回の無印iPhone 15/Plusにおいては昨年のiPhone 14 Proの性能がそのまま降りてきたような仕上がりとなっていますが、価格は実際には5,000円ほどしか値上がりしていません。
もちろん細かな点を見ると「可変式120HzのProMotionテクノロジー」や「トリプルレンズ」などはありませんが、15シリーズの中では最もお買い得なiPhoneと言えると思います。
iPhone 15 Proの変更点とiPhone 14 Proとの比較
次にiPhone 15 Pro/Pro Maxと旧型のiPhone 14 Pro/Pro Maxを比較してみると変更された点は以下です。
iPhone 15 Pro | iPhone 14 Pro | |
ディスプレイ | 【Pro】 6.1インチ Super Retina XDRディスプレイ ProMotionテクノロジー(最大120Hz) 2556×1179ピクセル、460ppi 【Max】 6.7インチ Super Retina XDRディスプレイ ProMotionテクノロジー(最大120Hz) 2796×1290ピクセル、460ppi | |
サイズ | 【Pro】 146.6 mm/70.6 mm/8.25 mm 【Pro Max】 159.9 mm/76.7 mm/8.25 mm | 【Pro】 147.5 mm/71.5 mm/7.85 mm 【Pro Max】 160.7 mm/77.6 mm/7.85 mm |
重量 | 【Pro】 187g 【Pro Max】 221g | 【Pro】 206g 【Pro Max】 240g |
ボディ | テクスチャードマットガラスの背面とチタニウム | テクスチャードマットガラスの背面とステンレススチール |
チップ | A17 Pro | A 16 Bionic |
ストレージ | 256GB 512GB 1TB | 128GB 256GB 512GB 1TB |
カメラ | 48MPメイン、ƒ/1.78絞り値 (超解像度の写真24MPと48MP) 超広角:12MP、ƒ/2.2絞り値 望遠:12MP、ƒ/2.8絞り値 HDR 5 | 48MPメイン、ƒ/1.78絞り値 (超解像度の写真48MP) 超広角:12MP、ƒ/2.2絞り値 望遠:12MP、ƒ/2.8絞り値 HDR 4 |
光学ズーム | 【Pro】 0.5x/1x/2x/3x 【Pro Max】 0.5x/1x/2x/5x | 【Pro】 0.5x/1x/2x/3x 【Pro Max】 0.5x/1x/2x/3x |
接続端子 | USB-C (USB 3.0に対応) | Lightning |
高速充電 | 30分で最大50% 20W PD | |
販売価格 | 【Pro】 159,800円〜 (256GB〜) 【Pro Max】 189,800円〜 (256GB〜) | 【Pro】 149,000円〜 (128GB〜) 【Pro Max】 164,800円〜 (128GB〜) |
- ステンレス素材→チタニウム素材に変更し軽量化
- ミュートスイッチがアクションボタンに変更
- USB-C端子は無印よりも20倍高速のUSB 3に対応
- Pro Maxモデルのみ最大光学ズーム5倍に対応
ポイント① ステンレス→チタニウムに変更
iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxは今までのProシリーズで使われてきたステンレス(ステンレススチール)素材ではなく、比重に対する強度が高いチタン(チタニウム)を素材にすることになりました。
チタンもステンレスもどちらも高強度ではありますが、チタンは比重が軽くてもステンレスと同等の強度を保つことができ、海水や汗などの耐食性が高く錆びにくいのもチタンの特徴でトータルではステンレスよりも優れています。
その反面、素材はチタンの方が高くはなりますが、今回この素材を採用したiPhone 15 Proは約5,000円ほどの値上がりに留まっているのは嬉しいポイントです。
よって軽いのに強度面でも安心感があり、汗や海水にも強いといういいとこ取りの素材となっておりiPhone 14 Proシリーズよりも約20gの軽量化が行われています。
またこのチタンモデルによってiPhone 15の無印モデルよりおiPhone 15 Proシリーズの方が約1mmほどサイズが小さくなっており無印モデルよりもコンパクトです。
ポイント② ミュート切り替えスイッチ→アクションボタンに変更
iPhone 15 Proシリーズには左側面のボリュームボタンの上にある「消音切り替えスイッチ」が小さいアクションボタンに変更されています。
ここに自分で任意のアプリやショートカット・アクセシビリティなどの機能を登録することで、ボタンを長押しするとすぐにその操作を起動させることができるようになります。
よく使うスマホ操作の一例
通常の操作手順 | アクションボタンでの操作手順 | |
カメラ起動 | ①「画面タップ」>②「右下のカメラアイコンを長押し」 | いずれかの操作をアクションボタンに設定すれば①「アクションボタン長押し」のみで起動 |
メモ起動 | ①「画面タップ」>②「ロック解除」>③「メモアプリ起動」 | |
フラッシュライト | ①「画面タップ」>②「上からスワイプでコントロールセンター起動」>③「フラッシュライトボタンをタップ」 | |
ボイスメモ | ①「画面タップ」>②「ロック解除」>③「ボイスメモアプリ起動」>④「録音ボタン」 |
なにげにアプリを起動して操作をするためには、画面タップして、ロック解除して〜から始まり複数の操作を行ってようやく目的のアクション操作ができるようになっていますが、アクションボタンはそれをすべて省略できます。
元々iOS 14以降で使える背面タップなどでも応用ができる機能でしたが、誤動作が多くあまり良いものではなく、今回は物理ボタンであれば意図した時だけに確実に起動することができます。
例えば普段からすぐにカメラ撮影をしたいので「カメラをすぐに起動できるボタン」にしても良いですし、仕事帰りの夜道が暗いので「すぐにフラッシュライトをつけるボタン」にする、時間があればすぐにタイムラインをチェックしたいので「インスタもしくはX(旧Twitter)を起動するボタン」にするなど、自分の最も利用シーンの多いものをここに設定することができます。
このミュート切り替えスイッチを活用している方はほとんどないとおもいますが、頻度が多いスマホ操作でも画面ロックからスワイプなどの余計な動作が不要でワンタッチで起動できるのは非常にありがたいですし、今まで以上に使い勝手が良いボタンになるでしょう。
ポイント③ データ転送最大10Gb/sのUSB 3に対応のUSB-Cポート
無印iPhone 15と同じくiPhone 15 ProもUSB-C端子を搭載することになりましたが、規格が異なり無印iPhone 15はUSB 2.0で従来のLightningと同等のデータ転送速度(480mbps)に対し、iPhone 15 ProはUSB 3.1で最大10Gbpsの高速データ転送が可能となっています。
iPhone 15 Proは無印iPhone 15の約20倍以上のデータ転送速度となるので、4K動画などの大容量のデータを高速にMacや他のストレージデバイスへ移行することができるので、特にファイルサイズが大きくなるデータを移動したい方にとっては圧倒的にiPhone 15 Proの方がストレスフリーです。
またこのProのデータ転送においてはリアルタイム撮影のデータを直接外部ストレージへ保存する事もできるので、iPhone自体のストレージに余裕がなくてもUSB-Cを通して外部の大容量ストレージ機器に保存しながら撮影を続行することも可能です。
特に動画クリエイターや長時間の撮影を行うならiPhone 15 Proが断然有利になるでしょう。
ポイント④ Pro Maxだけは5倍の光学ズームに対応
iPhone 14 Proでは通常のProと大画面のPro Maxとの差別化はスペック面では行われてこなかったのですが、今回のiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxにはカメラ機能の面でズーム機能で差が付けられています。
iPhone 15 Proは光学ズームは最大でも3倍にとどまっており、これはiPhone 14 Proと同じ最大倍率ですが、iPhone 15 Pro Maxは光学ズームは5倍まで可能となっています。
iPhone 15 Pro Maxの広角→最大5倍光学ズームの距離撮影
光学ズームはデジタルズームとは異なり、元の画質を劣化させずに望遠として被写体を写すことができるので、より望遠での撮影頻度が多い方にとっては光学5倍ズームはかなりの恩恵があります。
- iPhone 15/15 Plus(無印)0.5倍/1倍/2倍
- iPhone 15 Pro0.5倍/1倍/2倍/3倍
- iPhone 15 Pro Max0.5倍/1倍/2倍/5倍
その他はチップ性能UPや空間ビデオ撮影等
iPhoneのチップ名では今までA◯というネーミングを使ってきたのですが、今回Proシリーズにおいては「A17 Pro」と数字の後にProの文字を入れたネーミングとなっています。
6コアの新しいプロクラスのGPUが搭載されており、コンシューマーゲームに近いレベルの高画質ゲームがプレイできるとAppleイベントでは紹介されていました。
このチップ性能においては今後、多くのレビューワーの方がベンチマークの情報を共有するかと思いますので、現段階ではチップ性能に期待することなく多くのレビューワーの情報待ちをしたほうが良さそうな気もします。
またiPhone 15 Proシリーズでは未発売となるApple Vision Proで閲覧ができる「空間ビデオ」撮影が可能となっています。
空間ビデオ撮影は3Dビデオで、Apple Vision Proでしか体感できない映像にはなりますが、先を見据えてのiPhone 15 Proから撮影できる機能となっているので、今後Apple Vision Proを購入検討している方には先取りで映像を溜め込んでおくのも良いかもしれませね。
【結果】iPhone 15シリーズはどれが一番おすすめ?
今回のiPhone 15シリーズはUSB-Cという大きなAppleの歴史が変わる機能が組み込まれたのはもちろんですが、Proシリーズよりはどちらかというと無印のiPhone 15/15 Plusの方が大きく変更された点が多かったです。
また無印iPhone 15はスペックはiPhone 14 Proとほぼ同等のスペックやノッチまでも変更が行われ、前回の無印iPhone 14と価格はほぼ据え置きレベルとなっており最も変化とお買い得感があるiPhoneです。
よって私が今回のiPhone 15シリーズの中で、もっともおすすめできるのは「無印 iPhone 15」です。
Apple公式での価格は発表されましたが、ドコモ、ソフトバンク、au、楽天モバイルからの価格発表はまだ行われていないので、これからどのような価格とプランを用意してくるのかも楽しみではあります。