ゴリラ
2023年8月に発売したシャープのフラッグシップモデル「AQUOS R8」。
約14.5万円、上位の「AQUOS R8 Pro」の下位モデルにあたる、これまでのAQUOS シリーズにはなかった新しいポジションに位置するモデルです。
今回、約3週間ほど使ってみて感じたことや、カメラの作例を紹介します。
果たしてこの端末がどんな人におすすめできるのか、考えます。
- 20万円は出せないが、ミドルレンジではものたりない
- でも、Androidがいい
- 機動力の高い高品質カメラが欲しい
といったニーズに応えられるモデルです。
- 発売日:2023年8月10日
- 価格(プログラム利用時):
ドコモ:146,850円(84,810円)
ちなみに…
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ゴリラ
スペック解説、上位モデルのAQUOS R8 Proのレビューも参考にしてな!
AQUOS R8を使って感じたメリット・デメリット
まずはAQUOS R8を使ってみて「ここは良かった!」「価格を考えると微妙かも……」という点を、1つずつお伝えします。
重さとサイズ、バッテリー容量が絶妙
AQUOS R8は2023年における最高峰のSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載するハイエンドモデルです。
2023年現在の競合メーカーのハイエンドを「重さ」「ディスプレイサイズ」「バッテリー容量」の順に比べてみました。
- Galaxy S23
168g / 6.1インチ / 3,900mAh - iPhone 14
172g / 6,1インチ / 非公開 - AQUOS R8
179g / 6.39インチ / 4,570mAh - Xperia 1 V
187g / 6.5インチ / 5,000mAh - AQUOS R8 Pro
203g / 6.6インチ / 5,000mAh
スマホの重さはバッテリーの容量と筐体のサイズでほとんど決まります。
こうしてみると、R8はめちゃくちゃ軽いわけではありませんが、バッテリーやディスプレイサイズなど、ちょうど他に競合がいない部分にすっぽり収まっています。
ゴリラ
数週間前に上位モデルのAQUOS R8 Proを使った筆者が真っ先に感じたことが「軽っ!」という感想でした。
Androidでこれだけ軽いと、ミドルレンジ(AQUOS sense7とか)のスマホを使っている感覚になりますが、中身はキレッキレのハイエンドなので、最初は違和感しかありませんでした。
「ハイエンド感」が得られない
正直、この3週間使う中で、デメリットというデメリットが見つからなかったので、少し感覚的な話をします。
AQUOS R8はその立ち位置的に、超ハイエンドでもなく、かと言って、ミドルレンジでもありません。
スペック的には「ハイエンド」で間違いありませんが、後述するように、下位モデルのAQUOS sense7と同じセンサーサイズのカメラを搭載するなど、R8 Proとsenseシリーズの板挟みにあって、宙ぶらりんな存在に感じてしまいます。
特に数週間前にR8 Proを使っていた筆者としては、その最高体験を知っているが故に、「ハイエンドの端末を使っている」という感覚を得づらかったのは事実です。
ただスマホの価格が二極化した今、「めちゃくちゃ高すぎず、かと言って、ミドルレンジでもない」端末が求められているのも理解できます。
「ハイスペック」の定義が変わろうとしている過渡期にあるからこその、微妙な感覚なのかもしれません。
AQUOS R8のカメラの作例と使用感
個人的に気になっていたのが1インチセンサーのカメラを搭載した上位モデル「AQUOS R8 Pro」との撮れる写真の違いについて。
以下で紹介する作例は必要に応じてリサイズのみを行っており、色調の補正、トリミングなどを行っていない、撮って出しのものです。
暗所撮影
AQUOS R8で暗所撮影をする場合「夜景モードを使う方法」と「通常撮影でAIに夜景と認識させる方法」の2種類があります。
個人的な使用の範囲では、この両者で大きな違いを感じませんでした。
暗い中ではありますが、過度な白飛びはなく、上層階の外壁のコンクリートのディティールまで描写できています。
以下はR8 Proで同じ場所で撮影したときとの比較(クリックで拡大できます)。
この写真においては、R8 Proにも引けを取らない表現だと感じました。ほとんど違いを見つけることができません。
ちなみに撮影時の様子はこんな感じ。
暗所撮影の補正の精度は高いものがあるのですが、逆に撮影画面と実際に出来上がった作品には大きな差異があります。
撮影画面で写真をイメージしづらい、というのは、上位機種のR8 Proを使ったときにも感じたことでした。
R8 Proにはない広角カメラを搭載
R8 には標準カメラの他に焦点距離17mmの広角(超広角)カメラを搭載しています。
R8 Proは一眼カメラなため、ここは差別化ポイントになります。
ただし、R8 Proのカメラレンズは19mm相当でこれを0.7倍と位置付け、クロップと画素補完をした24mm相当を「1倍」として扱います。
R8 Proはレンズは1つですがいわゆる「超広角」撮影はできるため、「広角カメラが付いていること」がR8を選ぶ理由にはならないと感じました。
望遠撮影
個人的には3倍くらいまでが実用範囲、それ以上は少し精細さに欠けてくる、という印象でした。
R8 Proと同じAIエンジン
R8にはR8 Proと同じAIエンジンが搭載されています。
人物、ペット、料理はもちろん、星空や花火といったノンプロでは撮影が難しい被写体の撮影においても、適切な画質、シャッタスピードで撮影できます。
ヌルサク < 取り回し
撮影シーンでも先述したR8の取り回しの良さがいかんなく発揮されます。
視認しやすい画面サイズに重すぎないボディ。この絶妙な機動力の良さには脱帽しました。
スマホのカメラに求められていることって、実はスペック以外の「体験」的な部分でもあったりするのかな、という新しい気付きを得られました。
その他、AQUOS R8を使って感じたこと(R8 Proとも比較)
以下ではカメラ以外の部分で使って感じたことをサクッとお伝えしていきます。
外観|ホワイトがぐうかわ
AQUOS R8のカラーはブルーとクリームの2色。
R8 Proはブラックの1色で、いかにもなガジェット感がありました。
R8は性別問わず、誰にでも、どんなシーンにも合いそうです。
クリームは「紙」に近い色味で、個人的にはどストライク。
この見た目も「軽い」という印象を持たせるのに一役買っているのかもしれませんね。
ボディは樹脂で軽量化に貢献。マットな仕上げてチープな感じはりませんし、指紋もつきづらいです。
レンズ周辺は8 Proと比べ、すっきりしています。
この部分は独自の放熱機構が搭載されています。体感差はありませんでしたが、R8 Proよりも放熱性能は控えめなのかもしれません。
サイドはアルミフレームで囲われています。
R8はR8 ProにはなかったMIL規格13項目に準拠しています。
ゴリゴリハイエンドでMIL規格にも対応したスマホは貴重です。
側面の電源ボタンは指紋認証センサーを兼ねています。
R8 Proは画面内の指紋認証でした。
個人的には画面内認証よりも側面ボタンの方が相性が良くて好みです。
ロック解除後に更に長押しすることで、任意のアプリを開ける「Payトリガー」も便利です。
ディスプレイ|Pro IGZO OLED搭載
ディスプレはR8 Proと同じ「Pro IGZO OLED」です。
10億色の鮮やかな表現を楽しめます。良くも悪くもAQUOSのスマホらしい発色で、好き嫌いは分かれます。
少しギラつきがしんどいときは、設定からディスプレイの基本設定を「ナチュラル」に設定することで、より自然な見え方になります。
ちなみに最大輝度は1,300nit。
真夏の直射日光下でも十分、視認できました。
R8 Proは最大2,000nitに対応していますが、正直なところ、そんな明るさが必要なシーンはないと思います。
バッテリー|R8 Proに劣るも実用的
バッテリーは4,570mAhで、R8 Proの5,000mAhよりも減量されています。
以下は1時間、YouTubeを視聴したときのバッテリーの消費状況です(音量約30%程度、輝度約50%)。
- R8:98%→87%
- R8 Pro:59%→53%
今回の検証ではR8がR8 Proの2倍のバッテリーを消費するという結果でしたが、バッテリーの容量的にも、R8 Proの1/2しか持たない、なんてことはありません。
今回、動作の検証やカメラ撮影をしながら緩く使って3日に1回くらいの充電で間に合いました。
AQUOS sense7、sense7 plusとのスペック比較
今回のモデルは超ハイエンドのR8 Proとミッドレンジのsense7(senseシリーズ)の間に位置するモデルです。
先述のとおり「SoCは最高のものを積んでいるし、動作はキビキビなんだけど、体験としてハイエンドを使っているという気持ちになりづらい」というのが本音でした。
やはり、これまでにはなかった価格帯のAQUOSで、上位モデルの存在があるからなのかもしれません。
そうなると「半額以下で買えるAQUOS sense7、sense7 plusで十分じゃない?」とも感じてしまうものでして。
そこでsense7の+αモデル「sense7 plus(ソフトバンク専売)」とスペックを比較してみました。
スクロールできます→
AQUOS R8 | AQUOS sense7 plus | |
---|---|---|
サイズ | ・縦:約159mm ・幅:約74mm ・厚み:約8.7mm | ・縦:約160mm ・幅:約76mm ・厚み:約8.2mm |
重さ | 約179g | 約172g |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 | Snapdragon 695 5G |
RAM | 8GB | 6GB |
ストレージ | 256GB | 128GB |
SDカード | 最大1TB | |
ディスプレイ | 約6.39インチ Pro IGZO OLED Full HD+(2,340×1,080) | 約6.4インチ IGZO OLED FHD+(2,340×1,080) |
リフレッシュレート | 1~240Hz | 最大240Hz |
カメラ | ・標準: - 約5,030万画素 - F1.9 - 1/1.55インチセンサー - 電子式手ブレ補正 ・広角: - 約1,300万画素 - F2.3 - 電子式手ブレ補正 | ・標準: - 約5,030万画素 - F1.9 - 1/1.55インチセンサー ・広角: - 800万画素 - F2.4 |
バッテリー | 4,570mAh | 5,050mAh |
生体認証 | 顔認証/指紋認証 | 顔認証/指紋認証 |
防水・防塵 | IPX5/IPX8/IP6X | IPX5/IPX8/IP6X |
スピーカー | ステレオ | ステレオ |
ワイヤレス充電 | - | - |
イヤホンジャック | 〇 | 〇 |
SIM | nanoSIM/eSIM | nanoSIM/eSIM |
キャリア | ドコモ | ソフトバンク |
AQUOS R8が明らかに優位な部分は以下のようなところ。
- SoCが最高レベル
- RAM / ROMともに余裕がある
- R8 Proと同じAIエンジンによるオート撮影、ライカ社監修の「HEKTOR」レンズ
逆に言えば、それ以外の部分の差は少ないとも言えます。
例えばAQUOS sense7 、sense7 plusのカメラは「ミッドレンジ以上」と評価されており、センサーサイズはAQUOS R8と同じ1/1.55インチ。暗所での撮影能力も大きく向上しています。
「松竹梅の法則」でR8はそれなりに売れると思いますが、個人的にはコスパの良いsense7 plus(もしくはsense7)まで含めて検討することをおすすめしたいです。
(次のモデル以降、Rシリーズとの差別化のために、senseシリーズが意図的にスペックを落とされる可能性もあると見ています。)
新しいハイエンドの境地
繰り返しになりますが、AQUOS R8は非常に評価が難しい端末です。
価格は15万円弱とそこそこしますが、20万円を超えるような超ハイエンドではありません。
iPhoneで言うところの「無印モデル」的な位置付けで、今作は価格が二極化するAndroidスマホの新しいポジションに切り込んで来ました。
- 画面サイズと軽さのバランスが良いハイエンド
- さすがに20万円を超える端末に手を出す余力はないが、ミドルレンジではものたりない
- でも、Androidがいい
- 機動力の高い高品質カメラ
といったキーワードが刺さるなら、検討の価値のある絶妙な端末だと感じます。
最低3回のOSアップデートに対応しており、長く使えることも魅力です。
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