2023年7月に始まったドコモの2つの新プランの中ではライトプランという位置づけになる「irumo」。
今まではOCNモバイルONEというNTTコミュニケーションズの格安SIMがありましたが、OCNがドコモと合併したことで実質的にはドコモの格安SIM版がirumoという位置づけになります。
このirumoの複雑な料金プランをわかりやすく紐解くとともに、どういった人におすすめできるプランなのか、またeximoとどのような違いがあるのかを徹底的にまとめました。
irumoの料金プラン
irumoはISPサービスを含む、月間データ量0.5GB(500MB)〜最大9GBまでの少量のパケットデータで料金を安く使えるドコモの低料金プランです。
irumoの料金スペック
月額料金 | 0.5GB:550円(速度は3Mbps) 3GB:2,167円 6GB:2,827円 9GB:3,377円 |
通信エリア | ドコモ 4G/5G |
国内通話 | 30秒/22円 【かけ放題オプション】 5分無料:+880円 24時間無料:+1,980円 |
セット割 | 【ドコモ光/home 5Gセット割】 -1,100円 【dカードお支払割】 -187円 【家族割】 なし(カウントのみ) |
またirumoの基本料金は他の格安SIMと比べるとそこまで安いというわけではありませんが、ドコモ光やhome 5Gなどのセット割とdカードでの支払いによる割引を適用することで安くなる仕様となっています。
特に月間に1GBも使わない方や、月間500MBのパケットデータで十分なライト層なら550円/月と非常にリーズナブルに利用することができます。
irumoの通常料金とセット割引適用の料金の違い
irumoの3GB以上のプランを選ぶ場合は特に自宅でドコモ光やhome 5Gを使っている方やdカードを使った決済設定をしていて【セット割を適用できている】かが大きな鍵となります。
通常料金 | (ドコモ光/home 5Gセット割&dカード払い設定) | 割引適用後の料金|
(500MB) | 0.5GB550円 | 550円 |
3GB | 2,167円 | 880円 |
6GB | 2,827円 | 1,540円 |
9GB | 3,377円 | 2,090円 |
このようにセット割が適用できているか、そうでないかでirumoをお得に使える人とそうではない他社の格安SIMを選んだ方がよい人に分かれるかと思います。
もしも自宅で光回線やホームルーターを利用している場合は、ドコモ光もしくはhome 5Gに乗り換えることで、irumoの料金が大幅に割引されるので他社のネット回線を使っている型は乗り換えたほうが断然良いです。
①今すぐできるdカード支払いによる-187円割引
もっとも手っ取り早く毎月のirumoに割引を適用させる一つの方法としてドコモのケータイ料金の支払いをdカードでの支払いに変更する方法です。
もしも他のクレジットカードで決済している場合はdカードはGOLDでなければ年会費無料で、まだドコモの支払いに設定していない場合は割引はもちろんですが、dポイントも貯まり他の支払いよりもお得になるのでこれからもドコモを使い続けるのであれば発行しておいて損はないでしょう。
②光回線を利用しているならドコモ光へ乗り換えて-1,100円
自宅でもしも現在光回線を利用している場合、その光回線が他社光回線であれば当然ながら利用しているドコモスマホとのセット割が実現できませんが、NTTフレッツ光のコラボによる回線を契約している場合は簡単に乗り換えて続きを行うことができます。
わざわざ工事も必要なく、事業者変更という形でドコモ光に乗り換えることで、irumoとのセット割が実現し毎月1,100円の割引を受けることができます。
もしもNTTフレッツ光のコラボレーション等ではない、auひかりやケーブルテレビなどの他社光回線を利用している場合には完全に新規申し込みという形にはなりますが、ドコモ光を申し込みすることで同じく割引を適用できます。
ドコモ光は新規での申し込みであっても工事費が無料となるキャンペーンを行っています。
③自宅にも固定回線を簡単に置きたいなら「home 5G」
自宅に固定回線を引いてはなく、前々から利用を検討していたということであれば、工事不要で置くだけでWiFiが利用できる「home 5G」を選択するの良いでしょう。
こちらもドコモ光と同額の割引の恩恵があり、irumoの3GB以上のプランで1,100円の月月割が適用されます。
この①〜③いずれかの環境を整えられる方であればirumoの料金の安さを活用し、毎月の出費を抑えつつも高品質なドコモ回線を使い続けることができるでしょう。
irumoの3GB以上でセット割を適用しない場合は他社が安い
自宅では特に光回線などの固定回線を必要としない方であれば、irumoの3GB以上のプランは多少割高になり、同パケットデータ量が使える安い格安SIMを選ぶのがおすすめです。
通常料金 | 他社格安SIM | |
(500MB) | 0.5GB550円 | 715円 (リンクスメイト) |
3GB | 2,167円 | 990円 (LINEMO) |
6GB | 2,827円 | 990円 (iiJmio) |
9GB | 3,377円 | 1,705円 (マイネオ) |
あくまでもirumoの3GB〜9GBが安く使えるのはドコモ光かhome 5G利用者でセット割が適用されていることが前提となるため、その条件を満たせない場合は他社のサブブランドもしくは格安SIMを選ぶのが賢い選択でしょう。
irumoの対応機種
irumoはドコモの4G、5G通信を利用したモバイル回線となり、ドコモですでに購入し4Gもしくは5G通信が利用できるスマホ端末であれば対応機種となりそのまま使うことができます。
また5Gではなく4Gのみの対応スマホである場合、irumoで利用が可能な端末機種なのかを公式ページから事前にチェックしておきましょう。
irumoとeximoの違いを比較
irumoと同時期にリリースされた大容量パケットデータの通信を行う人向けの「eximo」の料金と比較してみると以下のようになります。
eximo | irumo | |
月額料金 | 〜3GB:5,665円 3GB〜無制限:7,315円 | 〜1GB:4,565円〜500MB(3Mbps):550円 〜3GB:2,167円 〜6GB:2,827円 〜9GB:3,377円 |
通信エリア | ドコモ 4G/5G | |
テザリング | 無料 (最大無制限までOK) | 無料 (最大9GBまでOK) |
国内通話 | 家族(ファミリー割引)間は通話無料 (家族以外は通話30秒あたり22円) 【かけ放題オプション】 5分無料:+880円 24時間無料:+1,980円 | 通話30秒あたり22円 【かけ放題オプション】 5分無料:+880円 24時間無料:+1,980円 |
データ超過後の速度 | – | 128Kbps (500MBプラン) 300Kbps (3GB〜9GBプラン) |
セット割 | 【家族割】 2回線目:-550円 3回線目以上:-1,100円 【ドコモ光セット割】 -1,100円 【dカードお支払割】 -187円 | 【家族割】 割引なし (回線数のカウントのみ) 【ドコモ光セット割】 -1,100円※500MBは対象外 【dカードお支払割】 -187円※500MBは対象外 |
キャリアメール | 無料 | 330円/月の有料オプション |
irumoとeximoの料金形態は大きく異なり、eximoは1GB〜最大無制限までのほぼ使い放題ができるプランとなっています。
もしもドコモ光やhome 5Gを使わないのであれば、irumoではなくeximoで自宅も外も一本化するという考えもありかもしれません。
irumoの注意点とデメリット
irumoはドコモの高品質な4G、5Gネットワークが使えますが、他のドコモプランやサブブランドと比較するといくつか注意しなければならないデメリットが存在します。
①混雑時は最も早く速度制限の対象となる
irumoはドコモの設備内で起こり得るネットワーク混雑時には他の「eximo」や「ahamo」の同ドコモの他プランよりも先に通信速度の制限を実施する場合があります。
これは珍しい内容ではありますが、ドコモ公式にてirumoは他のプランよりも真っ先に速度制限の対象になるプランということは予め留意した上で申込をする必要があります。
ネットワーク混雑時は災害時、ネットワーク障害発生時、設備内の特定エリアでの利用が集中している時間帯に行う可能性がある制限となるため通信品質や万が一の連絡手段としての品質を落としたくないという方にはirumoはあまりおすすめできないプランとも言えます。
②ドコモ家族間の通話料金が発生する
ドコモのほとんどのプランでは家族同士がドコモのプランを利用している場合は通話は無料になるのが通常ではありますが、irumoの場合はドコモ利用の家族への通話が無料になりません。
irumo | eximo | |
ドコモの家族への通話 | 30秒/22円 | 無料 |
ただしGCallを使えば30秒/8円という安い料金に抑えることができるので、irumoをどうしても使いたい場合で、電話番号発信が多い方はこういったサービスを活用するのもありでしょう。
③余ったデータは繰り越しできない
irumoは他の格安SIMのように毎月当月に余ったパケットデータを翌月にくりこしして無駄なく使い切るということができません。
もしも余ったデータを翌月にくりこしておきたいという方は格安SIMを検討するのが良いでしょう。
④キャリアメールは利用料330円が必要
もしも今までドコモのキャリアメールを使ってきており、irumoへプラン変更後もこのドコモのキャリアメールを使い続けたい場合はirumoに乗り換えることでドコモのキャリアメールが有料化となります。
今までは無料で使えていたドコモメールがirumoからは有料オプションになるのがちょっと腑に落ちないという方は引き続きメールをそのまま無料で使うことができるeximoを検討するのもありかもしれません。
ただeximoほどのパケットデータを使う予定がない方やなるべく料金を安くしたいという場合はこの際思い切ってキャリアメールに見切りをつけて自分でなんとかgmailなどのフリーメールに移行するのを検討してみるのがいいかもしれません。
irumoの乗り越えた人の評判
irumoは0.5GBをサブとして利用し、メインを他社にしてデュアルSIM仕様として利用する方も多いようで、似たようなプランではpovoなどとの組み合わせでライトに使うのも有りでしょう。
また3GB以上になると余ったデータを繰り越しできないのが難点となるため、無駄なく少量のデータでやりくりしたい場合はくりこし制度がある格安SIMを選択するのが良いかもしれません。
irumoはこんな人に向いている
irumoはライトにデータを使いながらも、本家の安心した全国的に強いドコモエリアが利用できるスマホプランとしておすすめではありますが、いくつかの条件をクリアしている場合にのみおすすめできるプランです。
- 毎月パケットデータをほぼ使わない
- 0.5GBのプランで間に合う
- すでにドコモ光やhome 5Gを利用している
- キャリアメールに依存していない
- 他社メインでサブでドコモ回線を検討している
- 格安SIMにはない高品質のドコモ回線を使いたい
毎月たくさんのデータを使わない人で、安定したドコモ回線を使いたい場合はirumoは最もおすすめできるプランの一つとなりますが、混雑時の速度制限は最も犠牲になってしまう諸刃の剣的なプラン内容ともなっています。
もしも9GB以上、また20GB以内に利用が収まるのであれば、ahamoを検討してみるのも良いかもしれません。
irumoがおすすめできない人
- 自宅ではドコモ光やhome 5Gを使っていない
- 余ったデータを無駄なく繰り越ししたい
- 家族でドコモを使っており電話番号発信が多い
irumoの0.5GBで550円という料金は電話番号がある状態で非常に安く利用することができ魅力的ではありますが、3GB〜9GBのプランを選択する場合はセット割適用無しではあまり安く利用できない構成となっています。
3GBで1,000円台の出費に抑えたい方や10GB程度で安いプランを探しているのであれば、やはり圧倒的に格安SIMをおすすめします。