GoogleのPixelシリーズとして毎回廉価版として価格と性能のバランス崩壊で驚かされることが多い「aシリーズ」。
今回もPixel 7aが販売となりましたが、やはり他のミドルレンジスマホを寄せ付けないハイコストパフォーマンスなスマホに仕上がっています。
毎度おなじみではありますが、私はPixel 4aから「aシリーズ」を乗り換え続けており、今回は流石にパスと考えていましたが、結局買ってしまった程の魅力も含め実機をレビューしていきます。
Pixel 7aの実機をレビュー
購入したPixel 7aは店舗にはなくオンライン限定カラーとなるCoral(コーラル)をチョイスしました。
付属品はUSBタイプCケーブル、USB-Aへの変換アダプタ、SIMピン、かんたんな説明書のみです。
充電はUSBタイプCケーブルでは急速充電は最大18W、コンセントに差し込むアダプタは30Wの充電器を前提とした使い方で急速充電に対応できます。
そこまで高速充電が必要なく、そこそこ速く充電できればOKという方であればダイソー店舗などで20WのPD対応の電源アダプタが770円で販売しているのでそれをチョイスするのも良いでしょう。
暗い場所でのカラーの見え方
コーラルカラーは意外にも落ち着いた雰囲気の色合いですが、明るくない場所ではより色が濃く表現されます。
照明がある場所でのカラーの見え方
また逆に照明などがある場所では淡い色に変化する面白い配色となっています。
Pixelのカラー展開は全体的に淡いカラーが多いような印象ですが、あまり主張しすぎないカラーなので女性だけではなく男性が持っていてもあまり抵抗がない自然なカラーリングで私的には好きです。
Pixel 7aの本体は従来のaシリーズでのプラスチック感ではなく、手で持つフレーム部分(側面)はアルミ仕様に変更され質感が向上しています。
サイズは72.9×152×9mmと片手での持ちやすさは大人の手ではギリギリOKな感じですが、重量は193.5gと多少ずっしりとした印象ですが逆に高級感はあります。
今まで持っていたPixel 6a(178g)比べると約15gぐらい重くなっています。
また背面のカメララバー部分も従来のPixel 6aまではプラスチック素材でしたが、こちらもアルミ素材となっており全体的に上位機種となるPixel 7の質感と非常に似ています。
またカメラ部分は約1mm程度の出っ張りがあり、対応ケースなどで保護するのが望ましいです。
右側面は電源ボタンが上、そして下に音量ボタンが配置されているため、他のAndroid機種ではこの配置が逆となっており他機種から乗り換える方はなれるまで時間がかかるかもしれせん。
またiPhoneは左側面に音量、右側面に電源ボタンなのでiPhoneから乗り換える方も同様に最初は押し間違えるかもしれません。
付属品でPixel同士なら簡単にデータ移行
古いPixelを利用している方や他社Androidスマホなら付属しているケーブル同士で接続してデータを移行することができます。
Pixel同士であれば最も早くデータ移行ができ、私の場合は10分ぐらいでデータ移行が完了し、今まで使用していたアプリ等もそのまま移行することができました。
カメラ性能は十分
メインの広角カメラは64メガピクセルとなっており、イメージセンサーは1/1.73インチでよりくっきりときれいな写真撮影が可能です。
広角メインカメラ撮影
メインカメラは64MPではありまますが、実際に撮影した写真は16MPで書き出されます。ただしきれいに仕上がっていると思います。
夜景・ナイトモード
夜の暗い路地での撮影ですが、Pixel 7aのナイトモードは雰囲気を残しつつもしっかりと撮影ができています。
ちなみに実際にはこれぐらい暗い場所です。
ポートレート
ポートレートはソフトウェア処理ですが、細部を凝視してみない限りは雰囲気も一眼レフのような仕上がりになっていて良いです。ボケ度においては後から編集で調整ができます。
またインカメラの13MPによるポートレート撮影も優秀です。
超高解像度ズーム
Pixel 7aにはズーム用レンズが搭載されてはおらず、全てのズームはデジタルズームとなりますが、最大8倍のデジタルズームでもなかなか頑張っている画質です。
光学ズームがなくソフトウェア処理の超解像度ズームによるデジタル処理での画質なため、ズームでの撮影をメインで考えるならPixel 7aはちょっと厳しいかなと感じました。
Tensor G2の処理性能はこの価格なら文句なし
Pixel 7aのCPU(SOC)はPixel 7 ProやPixel 7と同じ「Google Tensor G2」を搭載しており、Androidの現在のハイエンドチップとなる「Snapdragon 8 Gen 2」ほどではありませんが、なかなか良い性能ではないかと思います。
原神をプレイしてみましたが、グラフィックレベルは低く設定されるものの、起動から読み込み、そしてプレイにおいてはもたつきもなく快適にプレイできています。
各ベンチマークの結果は現在販売されているスマホのSOCの中では中の上と言った感じで良くも悪くもない平均的なスペックではありますが、スマホ自体の動作はサクサクなので高グラフィック設定で高処理なゲームなどを行わないのであれば不満は全くないです。
リフレッシュレートは最大90Hz
今までのaシリーズはディスプレイのリフレッシュレートは最大60Hzでしたが、Pixel 7aからは最大90Hzまで対応しており、スクロールを多様するアプリなどでは目の疲れなどの軽減に繋がります。
ハイエンドモデルに搭載されている120Hzに比べると60Hzと90Hzはそこまで大差があるわけではありませんが、多少の残像感が軽減されているのでTwitterやブラウザ、ニュースアプリなどを良く使う方はONにしておいても良いでしょう。
デフォルトでは60Hzになっているので「設定」>「ディスプレイ」>「スムーズディスプレイ」をオンにすることで90Hzでの駆動が可能になります。※ただしバッテリー消費が多少増えます。
画面内指紋認証の精度は◎さらに顔認証にも対応
これもaシリーズでは初となる、指紋と顔のダブル認証が可能になったスマホロック解除をスムーズに行える嬉しい改善です。
顔認証でのロック解除は非常にスムーズですが、iPhoneのようにマスク着用時の顔認証には対応していません。
ただその場合は指紋での解除を行えるので問題は無いでしょう。
外出時にマスクをする人やスマホを正面に向けずにロックを解除したい場合には指紋、そして指紋解除部分を触らず見るだけで解除したい場合は顔認証と言ったようにどちらも使えるのはロック解除の煩わしさから開放されます。
顔認証にしか対応していないiPhoneでロック解除を何度も失敗してパスコードを何度も入力する度にイライラする経験をしている私からするとPixel 7aは本当にストレスフリーで最高です。
おサイフケータイをしっかり完備
おサイフケータイは標準搭載で交通系のSuica、コンビニで利用する楽天Edyやnanaco、waon、タッチ決済のQUICPayやiDなども使えるので今や主流となっているスマホ決済はほぼ使える様になっています。
耐水性能はIP67だけども十分な防水規格
耐水性能はIP67となっており、水の侵入における保護等級(0〜8段階)においてはワンランク下となる7となりますが、一時的に水中に沈めた場合でも機器に影響を受けることがない体制レベルとなっているので十分な防水性能です。
Pixel 7 Pro Pixel 7 (IP68) | (IP67) | Pixel 7a|
耐水・防水機能の違い | 7等級以上の厳しい条件下で有害な影響を受けない | 既定の圧力、時間で水中に 没しても水が浸入しない |
無料でついてくるVPNでフリーWiFi接続も安心
Pixel 7aからは上位機種となる7、7Proと同様の「Google One VPN」が搭載され、Pixelにある個人情報を暗号化した状態でネットにアクセスできる機能が無料で備わっています。
VPNを使うにはGoogle Oneを起動するとVPNという項目があり、ここから開いてONにするだけです。
ちなみにこのVPN機能は旧機種となるPixel 6aには非搭載だったので、街中やカフェなどでフリーWiFiを活用する方でスマホの大事なデータや個人情報を第三者から悪用されず守りたいのであれば、今後この機能は必須となるでしょう。
Coralカラー限定でYouTubePremiumが1年無料
このCoralカラーは他の「Sea」「Snow」「Charcoal」の3色にはない唯一の「YouTubePremium12ヶ月無料クーポン」がついている特別仕様となっています。
特別パッケージとなっているCoralカラーにはクーポンコードが書かれており、このクーポンコードを入力すると1年間の無料トライアルをスタートさせることができます。
すでに月額で利用している方は一旦解約し、このクーポンコードを入力することで1年間は無料でYouTubePremiumを使うことができるのでこれだけでも約12,000円ほどお得になります。
Googleストア限定でスマホケースをプレゼント
Pixel 7aは大手キャリアや量販店などでも販売が行われていますが、現在であればGoogleストアでの注文なら限定のスマホケース(3,300円相当)が無料でプレゼントとなっています。
ケースのデザインは背面のカラーを活かした透明なケースでプラスチックな質感ではありますが、スマホ本体と背面のカメラ部分の保護としては十分です。
薄型ケースではないので重量は約20gほどプラスとなり、若干嵩張るようになりますが装着したままのワイヤレス充電もできました。
5Gのn79バンドに対応し、今回はドコモからも販売開始
Pixelシリーズは今までの大手キャリアではau、ソフトバンクのみでしたがこのPixel 7aからはドコモの5Gのバンドn79に対応したためドコモからの販売も決定しています。
ドコモユーザーにとっても手にしやすい機種となっており、ドコモオンラインでは限定のコーラルカラーも販売しています。
Pixel 7aと旧型Pixel 6aを比較
旧型のPixel 6aは価格は53,900円、今回のPixel 7aは価格は62,800円と約1万円の値上げとなり、5万円台で買えていたシリーズの価格高騰は残念と考えている方もいるかもしれません。
円安や材料高騰の影響は否めませんが、Pixel 7aは逆によくこういう状況でよくこの価格に抑えられたなと感じています。
Pixel 6aも素晴らしかったですが、色々触ってみてPixel 7aはもっと素晴らしいのではないかと
本体サイズはPixel 6aとほぼ同じサイズでスペック上では高さ152mm、幅は72.9mmです。厚みはPixel 6aが8.9mmに対し、Pixel 7aは9mmでちょっとだけ太いです。
手で持つサイズ感はほぼ変わらないですが、やはり気になるのは重量でPixel 6aは178gなのに対し、Pixel 7aは193.5gと15gほど重くなっているのでずっしり感があります。
これはPixel 7aにワイヤレス充電機能を初めて搭載しつつもバッテリー容量をなんとか確保するためではないかと思いますが、慣れていけば問題は無いでしょう。
右サイドのボタン配置ですが、Pixel 7aはPixel 6aよりもやや下の方に変更されており、片手持ちの状態で音量ボタンと電源ボタンに指が届きやすく配慮されているのは嬉しいポイントです。
またデザインは似ているようで、カメラフレーム部分はプラスチック形状ではなくアルミに変更、再度のフレームもアルミの金属部品を使うことでデザインに高級感と上品さが加わっています。
スマホのデザインで選ぶなら圧倒的にPixel 7aの方が質感も良く所有感も断然こちらの方が高くなるでしょう。
Pixel 7aとPixel 6aのカメラ性能はほぼ互角
Pixel 6a
Pixel 7a
Pixel 6a
Pixel 7a
広角メインカメラのスペック上は12MPのPixel 6aに対し、Pixel 7aは64MPとなっており一見5倍ほど性能アップのように感じるかもしれませんが、書き出し時には16MPとなり、実際に両者の撮影した画質を確認してもカメラ性能においてはほぼ互角といってしまっていいです。
最大ズーム時だけPixel 7aが若干きれい
Pixel 6a
Pixel 7a
どちらの機種も超解像度ズームでデジタルズームが可能ですが、ここはPixel 7aのメインカメラのピクセル数がアップした恩恵かは分かりませんが、若干ながら綺麗に表示されています。ズーム機能ではPixel 7aの勝利です。
また動画も4K撮影が可能ですし、シネマモードも搭載されておりズーム機能も含めアウトカメラではどちらが撮影したか分からないレベルではあります。
処理性能は圧倒的にPixel 7aが向上している
撮影した1分の4K動画を動画編集アプリで書き出しを行ってみるとSOCがTensor G2に性能アップしたPixel 7aの方がやはり書き出し完了までの時間が早く、性能アップは間違いないことが証明されました。
Pixel 7aのスペックをPixel 6aと比較
Pixel 7a | Pixel 6a | |
発売価格 | 62,700円 | 53,900円 |
チップ性能(SOC) | Google Tensor G2 | Google Tensor |
メモリ | 8GB | 6GB |
ストレージ | 128GB | |
インチ数 | 6.1インチ | |
ディスプレイ解像度 | FHD+(1,080×2,400)OLED | |
フレームノート | 最大90Hz | 最大60Hz |
ディスプレイガラス素材 | 傷が付きにくい Corning® Gorilla® Glass 3 カバーガラス | Corning® Gorilla® Glass 3 のカバーガラス |
アウトカメラ | 広角:64MP 超広角:13MP | 広角:12.2MP 超広角:12MP |
インカメラ | 13MP | 8MP |
本体重量 | 193.5g | 178g |
ワイヤレス充電 | ◎ | × |
指紋認証 | ◎ | |
顔認証 | ◎ | × |
VPNセキュリティ | ◎ | × |
レコーダー文字起こし | ◎ | × |
バッテリー時間 | 最大24時間 バッテリーセーバー有効で最大72時間 | |
防水・耐水性能 | IP67 |
Pixel 7aはPixel 6aより向上した点が多く、ハイエンドほどではありませんがより実用的に使いたい人にとってはコストパフォーマンスが高いスマホには間違い無いでしょう。
Pixel 7aは価格相応ではなく価格以上は間違いなし
Pixel 5aあたりからですが、Googleの廉価版という位置づけのaシリーズスマホはゲームバリバリ、編集バリバリという人以外には万人におすすめできてなおかつ手に届きやすい価格でおすすめできるスマホには間違い無いでしょう。
iPhoneの最も安いiPhone SEシリーズと同じ価格帯ではありますが、カメラや処理性能、指紋認証、その他の諸々を含めても世界ではAndroidシェアが高い理由も良く分かります。
日本市場でも本気でiPhoneのシェアをどんどん奪っていくのではないかという勢いのAndroid純正スマホは5年のアップデート保証で長くも使えるので自分だけではなくスマホ選びで悩んでいる家族や友人にもおすすめできる機種の一つに間違いありません。